これまでの「かけはし講座」で寄せられた主な質問に対する暫定版の回答です。
 回答の根拠は、なるべく既往の文献から探しました。[2020年3月更新]

Q1:成年後見人とは基本的に保護者がなるものでしょうか?

A1:親族は、肉親としての愛情に基づいて本人の監護に当たりますから、後見人等として適任であるケースが多々あることは明らかです。
専門職は、後見人等としての職務を遂行する上で専門的な知識や経験を必要とするケース、さらには、親族を後見人等とすることが望ましくないケースなどについて、選任されることになりましょう。
  [引用文献:東京大学市民後見人養成講座、配布資料、2013]

Q2:後見人はどう選ばれるのでしょうか? 後見人は親が選べますか?

A2:申立人が家庭裁判所に申立書を申請します。家庭裁判所よる調査及び家事審判官による申立人や本人の面接をし、申立ての事情・本人の意思の確認します。
これらの調査を経て、裁判官が職権で類型(成年後見、保佐、補助)と後見人を決定します。親は後見人を選ぶことはできません。
  [参考・引用文献:品川成年後見センター、パンフレット「あんしん生活」、2015]

Q3:後見人を代えることはできますか?

A3:成年後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる(民法844条)。
正当な事由とは、成年後見人が遠隔地へ転居した場合、成年後見人が高齢又は疾病のために後見事務を遂行できなくなった場合等である。
   [引用文献:東京大学市民後見人養成講座、配布資料、2013]

Q4:成年後見制度を利用して毎月かかる費用はどのくらいですか?

A4:後見人の報酬は、裁判所に対して報酬付与の審判の申立てを後見人自身がし、裁判所の審判を得た上で、被後見人の財産から報酬を受け取ることができる。
基本報酬は月額2万円です。管理財産額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)が1000万円を超え5000万円以下の場合は、基本報酬額を月額3万円~4万円とします。
後見人がその職務を遂行するために必要な経費は、後見人の財産から支出できます。
タクシー代は特別な事情がない限り認められない。
   [引用文献:NPO法人 地域ケア政策ネットワーク、市民後見人育成テキスト, 2013]

Q5:裁判所の許可を得る必要がある事項は何ですか?

A5:被後見人の居住用不動産の処分
     [引用文献:横浜家庭裁判所、成年後見人 Q&A、2015]

Q6:被後見人の財産から支出できないものは何ですか?

A6:・後見人が被後見人の財産を私的に流用すること
   ・後見人が被後見人と全く別世帯であるにも係らず、後見人及びその家族の生活費を支出すること
   ・被後見人の不動産を売却してその代金を後見人自身、親族や知人の債務の弁済や不動産その他のものを
    購入するために費消することなど
   ・後見人自身、親族や知人への贈与
   ・後見人又はその親族への金銭の貸付け
     [引用文献:横浜家庭裁判所、成年後見人 Q&A、2015]

Q7:後見人ができない事項は何ですか?

A7: ・連帯保証人・身元引受人
   ・医療同意(身内の親族の方にお願いする)
   ・遺言書の作成
   ・結婚の承諾
   (一身専属権):権利又は義務が特定人に専属し、他の者に移転しない性質をいう。
    [引用文献:東京大学市民後見人養成講座、配布資料、2013]

法律行為に係る身上監護のみ行うので、事実行為である介護や看護は含まれません。
     [引用文献:東京大学市民後見人養成講座、配布資料、2013]

身上監護に関する事務として
   ・本人の身上に係る法律行為
   ・健康診断の受診
   ・治療入院等医療に関する契約
   ・介護サービス利用に関する契約等
  があります。
    [引用文献:NPO法人 地域ケア政策ネットワーク、市民後見人育成テキスト, 2013]